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みっつめ

電子獣、とSOS団。
いつの間にかシリーズ化している……もはやダブルパロですかごめんなさい。
そしていつの間にか記事数が100です吃驚。下書きで非公開もいっぱいあるのですけれども、そんなに、書いていたんですね。わー。




 ということで、多分に伏線は張ってあったのだ。
 目が覚めて、薄ぼんやりと差し込んでくるだけの光にまず、ああ眠ってしまっていたんだなと思った。
 涼宮さんの提案に彼が誰にとっても予想外の反応を返したため、午後の団活もそこそこに、僕たちはコンビニで大量にお菓子と飲み物を買い込んで彼の家へと向かった。彼が唐突に向けられたホスト役に諾と返した後、「ただし、家に来るのはいつものことだからいいとして、流石に食べ物の保障はできん」と続けたからである。今回ばかりは彼も食べ物全面バックアップを免除され、だから彼を除く僕ら四人は、一番大きなコンビニ袋三袋分にも及ぶ食糧代を割り勘して支払った。
 そうして訪れた彼の家彼の部屋、闖入してきた彼の妹さんをも巻き込んでのDVD観賞会は間に幾度かの休憩と食事と「時間もないし仕方ないわここは飛ばすわよ!」という涼宮さんと僕と彼が断腸の思いで断念した話数・場面ショートカットを挟みつつも、全五十一話、最後のディスクが再生を終了し画面がメインメニューに戻るまでついに、奇跡の脱落者ゼロただし22時を回ったところで彼によって強制的に就寝させられた妹さんを除く、で全行程終了と相成った。ついでにぐずぐずの鼻と涙腺が弛んでうるみっぱなしの目を引き摺りながら劇場版にまで手を出して、その頃にはとっくに、当たり前ではあるけれども窓の外は朝の光に満ちていて。僕たちは徹夜明けのよく判らないハイテンションと重い頭でそれでもみな一様にやりきったという表情で部屋の隅に彼の母親によって用意していただいていた布団をよたよたと広げて、そしてほぼ雑魚寝に近い状態で、眠りについたのだった。
 しかし今は何時なのだろう、と身体を起こす。確かもう僕が男で周りは女子なんてことはまったく気にせず眠りについたため、ベッドに倒れた彼以外は全員が布団の上にいたはずなのに、つまりは僕も布団の上にいる筈なのに、床に布団を敷いただけにしてはやけに身体が揺れるなと、思ってはっとした。
 僕はベッドの上に、ひとり横になっていたのだ。
 しかもどう見てもここは彼の部屋などではなかった。
 見まわして、ブラインドがかかった窓から漏れる光だけで照らされた部屋の中、窓の下に置かれた机とパソコンと本棚と、ベッドの横に置かれた箪笥とだけを視認する。
 ここはどこだ。
 いや、――僕はこの部屋を、知っているような気がする。
 そう思ったら居ても立ってもいられなくなった。ベッドから飛び降りて、部屋のドアに手を掛けて廊下に飛び出す。右、左、右――玄関は、左にあった。きちん、と一組だけ揃えられていたスニーカーを突っ掛けて、壁に掛けられた姿身をちらりと見て、ぞくり、と背筋を悪寒が走る。
 背丈が縮んでいた。
 白い半袖のワイシャツにハーフパンツ、忘れかけていた、まるで小学生のような自分の顔が奇妙に歪む。
 それ以上直視していられなくて、振り切るように重い鉄の扉を押しあけた。きっとここはどこかの、マンションだ。そんな予感、いや確信があった。とにかく今は、自分が置かれた状況を確認しなくてはいけない。
 むわっ、と身体を包んだ熱気の向こうは抜けるような青空が広がっている。共有スペースを駆け抜けて広い中庭に出れば、高いフェンスの向こう、すぐ目と鼻の先に、水色のレールが浮かんでいた。思わず眉根を寄せてしまってからぐるりと方向転換、今自分が出てきた大きな建物を迂回してマンションの反対側正面に立つ。目の前には、道路と整理された歩道と、その向こうに、砂浜、海、じゃあ、ここはまさか、きっと。
 心臓が早鐘を打つ。信じられないという気持ちと、でもそれ以外に考えられないじゃないかという、決断を下そうと逸る気持ちを抑え込みながら道路を渡って、砂浜に抜けた。
 目の前に広がる海、そのむこう。
 大きく、大きくのびる真っ白な曲線を描く橋。遠くに天高く立つ、真っ赤な鉄塔。球体展望台を併設したテレビ局、その隙間を縫うように巡らされた水色のラインを、電車が、ゆっくりと動いている。
 ほんとうに、ほんとうに来てしまったのか。いやそれよりも、
 僕はいったい、何のためにここにいる。




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