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六月二日

ううん六月か夏に書きたいなあとぼんやり考えているので、古泉の動きのめもです。続きから。




迫る。迫る水色を避けるためにぐいと後方へ捻った左腕で、灰色のビルディングの端を手繰り寄せ掴み取る。引き寄せる。思い切り身体を。
支点はここだ、力点はどこで、作用点は、こちら、掌に力を込めてまるで振り子のようにそのまま、自分の身体を、上空へと投げ出した。コンマ数秒遅れてその軟体動物のようにぐにゃりとしなったものが、先に僕が頼りにした建造物の屋上部分を掠め取って行く。水色の通過点からがらがらと崩壊していくのが視界の端に映る、けれど音は聞こえない。それよりも早く、僕は風を切ったからだった。
目の前に浮かぶ赤いみっつの光点、が、ぎょろり、振り向くよりも早く。早く。早く。
辺りに広がった砂塵を振り払うように、僕は、其方へと突進した。
ずぐり。赤い皮膜がほんの少しの抵抗とともに丸い形を崩して、そしてそのまま、突き抜ける。
――ごめんなさい。
一瞬紫がかった視界が開ける、身体を捻る。ブレーキをかけた。振り返れば長いこと整えられていない前髪がばさりと額にかかって、うっとおしい、いつか切ろう、けれど今はただ、振り払うしかない。散りゆく汗の飛沫は、いったいこの世界の何処に、吸い込まれていくのだろう。
たった今僕が切り落としたその腕の付け根はまるで糸を使って切り取ったゼリーの断面のように滑らかで、
ああ、次はそのかけらだけでも、掬い取って口に運んでみたいななんて、場にそぐわないことこの上ないことをぼんやりと考えてみた。

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